LOGIN「うひっ、うひひひっ……」
その男は薄暗い灯火の中、一人机に向って絵を描いていた。
彼のその作品は、完成まであと少しの所まできていた。
「最後の……この……少女が鉈で首をかっ切られるシーン……あぁ、ベタやなしにカラーで鮮血してやりたいもんやのぉ……」
男がそう言いながら、凹凸の多い頬を撫でる。
「もう少し……もう少し……」
男の鼻息が次第に熱くなっていく。
その時、玄関のチャイムがなった。
その音に、男の動きがピタリと止まった。
そして重く低い声でこう、うなった。
「誰、だ……俺の仕事の、邪魔をするやつは……」
男がゆっくりと立ち上がった。
* * *
「坂口さん、いてませんの?」
健太郎、藤原、本田の三人が、寝屋川市のとあるマンションの一室、漫画家坂口仁志が住む部屋の前に立っていた。
何度もベルをならすが、まるで人の気配がしない。
「おらんか」
「どないすんねん健」
「待っとかなしゃあないやろ、携帯も使えんし」
「そやなぁ」
「ほんま、こう言う時が一番不便なんや。何の為の携帯やねん」
「健」
「なんや」
「ちょっとは不便さを楽しめ」
「ややこしい理屈ぬかすな」
その時だった。
玄関が音も立てず静かに開いた。
中は薄暗くてよく見えない。
「坂口さん……?」
健太郎の声に引き寄せられるかのように、ゆらりと一人の男が現れた。
「おげえええええええええっ!」
藤原と本田が抱き合って叫んだ。
中から出てきた長身の男は、顔面が腐り果てていたのだ。
あちこちの肉片が崩れ落ち、頬の辺りにぶらさがっていた。
所々に黒ずんだ血も見える。
それはゾンビそのものだった。
そしてアンバランスにも、そのゾンビは吸血鬼ドラキュラご愛用のマントをはおっていた。
「何や坂口さん、いてはったんですか」
健太郎が涼しい顔でそう言った。
その声にゾンビは顎の辺りに手をやり、ベリベリと皮膚を剥がしていった。
「なんや山本君か、久しぶりやないか。今な、最後の原稿書上げてたところやねん」
本格的なゾンビマスクを剥いだ坂口が、睡眠不足で赤くなった目を細めて笑い、健太郎の肩をポンと叩いた。
「おっ、彼がよぉ写真で見せてくれてる噂の藤原君やな、写真通り中々の二枚目やないか。もう一人は初顔やな」
「ええ。実は坂口さんに、是非協力して欲しいことがありまして、突然押しかけた次第なんです」
「そうか……まあええ、散らかってるけど入りぃや」
「すんません。おえ入るぞ……っておえっ! お前ら、何抱き合って気絶してんねん!」
二人は卒倒していた。
* * *
「……ったく、あんなこけ脅しぐらいでいちいち気絶してどないすんねん。これからしょうとしてる事、よぉ考えよ。ゾンビのお面ぐらいがなんやっちゅうんや。ガキかっちゅうねん」
健太郎が思わずぼやいた。
二人はまだ顔色が冴えない。
藤原は内心思っていた。
(分からん……分からん分からん分からん……健は尊敬に値する人格者や言うとったけど、誰もおらんこの部屋で、ずっとあのマスクをしてる……坂口さんの感覚が全く分からん……)
「ほんで山本君。何や、君のその頼みっちゅうんは」
マントをはおったままの坂口が、ずずっと緑茶を飲み、三人を前に聞いた。
健太郎はその場で正座し、深々と頭を下げて言った。
「坂口さんもよぉ知ってはると思います、昨日の事件。大阪市内は訳の分からん怪物のおかげでわやくちゃになってます。
別に僕らには関係ない事なんで、ほっといたらええ事なのかもしれません。ですが実は市内に、この藤原の母ちゃんと妹が取り残されてるんです。ちなみにその妹は、僕の彼女の涼子ちゃんなんです」
「涼子ちゃんか。確か可愛い子やったな」
「恐縮です。ほんでですね、坂口さん。実は藤原たっての願いで、僕らは市内に殴り込みをかけることにしたんです。装備もある程度は、この本田に用意させました。
でも今回のこの奇怪な事件は、ホラー映画その物です。人間が石になって徘徊してるんです。僕らの頭でいくら考えても、理解の範疇を超えててどない対処していいのかさっぱりなんです。
そこでです。ホラー専門で長年漫画を描かれている坂口さんに、是非協力して頂きたいんです。僕らは体をはります。坂口さんに、僕らのブレインになってもらいたいんです」
健太郎の話を、目を瞑りじっと聞いていた坂口は、やがて静かにうなずいて言った。
「……なるほどなるほど、そう言う事か……いやな、僕もテレビで見てたんやけどな、ありゃ何か臭いなと思てたんや」
「え……何か気になる事でもあるんですか」
「うん。何か政府は悪戯やテロや言うとるけどな、どんだけ頭のええやつがおったとしても、流石に携帯取ったら石になってまうやなんて事、出来るやつがおるとは思えん。
僕らが納得できる常識の中で答え考えるより、コメンテーターらが鼻で笑っとる魑魅魍魎や超常現象の方が、よっぽど説得力のある答えを出してくれてると思うんや。まして僕は、嘘でも何十年もホラー一筋に生きてきた人間や、そっちで考えた方がしっくり来る。そっち側からの意見でなら、少しは力になれると思う」
「是非お願いします! 僕も坂口さんの解釈が正しいと思てます。だからこそ今、ここにいてるんです!」
「そか、分かった……まぁ君らもよぉ知っとると思うけどな、日本にも妖怪はようさんおる。天狗、鬼、河童らメジャーどころは勿論、それこそ雑魚妖怪まで入れたらかなりの数や。そやけど今回の手口は日本やない、西洋や。
西洋の代表的なモンスター言うたら吸血鬼、フランケンシュタインのモンスター、ミイラ男に狼男、半魚人、透明人間らが有名やけどな。僕がニュース見て一番初めに浮かんだんは、ゴーゴン三姉妹やった」
「ゴーゴン三姉妹……」
「あの姉妹はな、君らも手口を聞いたらよぉ知っとる筈やで。あいつらの能力はこれや」
そう言って坂口が、人差し指を顔に向けた。
「顔を見る、すると体が石になる」
「ああ、知ってる知ってる。それって、メデューサってやつですよね、髪の毛が蛇のやつ」
「うん、彼女も三姉妹の一人や。あいつらはギリシア・ローマ神話に出てくるモンスターなんや。まぁ説明したら長ぉなるから簡単に説明するけどな、とにかくあいつらは恐ろしい顔しとったらしいわ。顔を見ただけで恐怖の余り石になるんやからな。
今藤原君が言うた様に、パッとメデューサが出てくるんは、退治された時の話がドラマチックで有名になったからやと思う。
ある時ペルセウスっちゅうやつが退治しに行ったんやけどな、そん時ペルセウスは姿が消せるハデスの帽子っちゅう反則みたいなアイテムをかぶっとったんや。ほんでアテナからもろた磨いた盾、まぁ簡単に言うたら鏡の盾かなぁ、それを持って寝込みを襲いよったんや。アテナの盾にメデューサの姿を映して、後ろ向きに歩いていった。直接見んかったら大丈夫やったらしいわ。ほんでヘルメスからもろた鎌で一気に首を叩っ斬って殺した。
そん時あとの二人が目覚めて怒り狂ったんやけど後の祭り、なんちゅうても相手はハデスの帽子をかぶってて見えへんかった、と言う訳や。
しかしな、僕がどうも合点がいかんのが、携帯使って一斉に石に変えとるところや。まあモンスターの類〈たぐい〉も、もしこの現代まで存在しとると言うことやったら、人間の文明・科学を取り入れて進化しててもおかしないんやけどな」
「三姉妹の仕業。それも、進化しとる未知の力……」
「そやから助けに行くと言うても簡単やない。それに石像の弱点も分からん」
「それは藤原が実際に体験してます」
「ほぉ、藤原君、どないやった。ヒントになりそうな事あったか?」
「いえ……とにかくやつらは、頭を粉々に砕いても再生する能力を持ってましたから。弱点なんてあるとは思えません」
「そうか、頭を潰してもあかんのか。ゾンビみたいな訳にはいかへんねんな」
「う~ん」
部屋に重苦しい沈黙がのしかかってきた。
「そやけどまぁ、破壊したら復活するまでの間、多少の時間は稼げるやろ。その隙に助け出す。今回の目的はあくまで救出であって殲滅やないからな」
「石像共の足止めに関しては、俺らに任せてください。武器担当の本田に、ダイナマイトや銃を用意させました。僕のジープに乗せてあります。後で坂口さんにも見てもらいますけど、役に立つもんがあると思います」
「そか。後は僕の知識をどんだけ生かせられるかか……分かった。その話、僕も乗ろう。少しは役に立てると思う」
「ほ、ほんまですか! ありがとうございます! ほら藤原、お前も頭下げぇ。なぁ見てみい本田、この人こそ何にも関係ないのに、こない気ぃよぉ承諾してくれはって。ちっとはおのれの根性のなさを恥じぃ」
「……」
本田が黙ったままうつむいた。
「坂口さん、ほんまこの通りです、感謝します!」
「あぁそうや、もうすぐ直美が来る。直美にも話ししょうか?」
その言葉に健太郎が身を乗り出した。
「それですねんて坂口さん。僕らはその事も含めてお願いにあがったんです。直美ちゃんやったら石像の十体や二十体、破壊するなんて朝飯前でっしゃろ」
「まぁな。あいつもまた最近、だいぶ鬱憤たまっとるみたいやからな、丁度ええタイミングや。たまには発散させてやらんとな。
あいつをメンバーにするとせんでは、戦力が桁違いや。それと武器は……本田君やったな、君が手配してくれるんやな、分かった。ほんだら僕は、とりあえずモンスターが嫌がりそうなやつを集めるか。どんなやつかも分からんからな、オーソドックスなやつも持っていくとしよう。お札、数珠、聖水、十字架、ニンニク、銀の弾、火炎瓶」
「火炎瓶?」
「うん、怪奇映画の定番やで。モンスターが最後に火に包まれて死ぬパターンはわりかし多いからな。そうや藤原君、ひとつ聞いとく事があった。石像と戦った時、やつらの動きはどうやった? やっぱりゾンビみたいにゆっくりやったか?」
「そうですね。決して俊敏とは言えなかったと思います」
「そうか、なら助かる。下手に動きの早いやつやと戦い方も変わるからな。ちなみに可動部分の造りは分かるかな」
「と言いますと」
「間接部分の仕組みや。あいつら全身石なんやろ? 普通に考えたら動かれへんと思うんや。伝説でも、メデューサが石化したやつらを操ったなんて話は聞かんからな」
「よく見た訳じゃないから自信はないですが、その部分は柔軟に動いていたと思います。ですがそこも石。何か矛盾してますが、そんな感じだったと思います」
「そか、やっぱり未知って感じやなぁ、今回の敵は……そやみんな、ひとつ言うとくけどな、石像は構へんけどな、そいつらを操っとるやつの顔だけは絶対見るなよ。石にされる可能性が高い」
「ほんだらどないして戦うんですか」
「映画でよくあるんは、背後から首を叩き落すパターンやな。そやけどそない都合よく背後に回れるとは思えんから、みんなこの安眠マスクを持っといてくれるか。もし親玉と戦う事になったら、これ着けて戦うんや。相手の動きも見えなくなるけど、まあそれは心眼っちゅうやつで戦うしかないやろ。大丈夫、なんちゅうても僕らは日本男児のはしくれ、サムライの末裔やからな」
その時玄関から、不機嫌そうな女の声がした。
「お客さん?」
「おお、入ってこい直美。ちょうどええタイミングや」
坂口が声をかけた。ドアが開き、声の主が中をうかがった。
「何や兄ちゃん、マスクかぶってへんやなんて、何か拍子抜けるやんか……友達?」
「おぉ、山本君以下3名や。害になるようなやつはおらん。まぁ入れ」
「うん」
入ってきた直美に、藤原と本田は落雷を受けた様な衝撃を覚えた。
半年後。戦いは終わった。数百万の犠牲を払った大阪に、少しずつ活気が戻りつつあった。事件の真相は当然、誰にも分からない。全てを理解しているのは、藤原と涼子だけ。そして二人が、それを口外する事はなかった。* * *徘徊していた数百万にも及ぶ石像たちは皆、元の姿に戻っていた。しかし坂口の言っていた、「首謀者を倒せば、呪いが解けて皆が助かる」と言う言葉は、残酷な答えとなって返っていた。確かに元の姿に戻りはしたが、脳味噌を排出した人々が再び蘇生する事はない。市内は数百万人の死体の山、ゴーストタウンと化していた。学者たちは頭を悩ませ、連日この惨劇を巡っての議論が続いた。だが誰一人として、答えにたどり着くものはいなかった。藤原は思っていた。(呪いからは解き放たれた……魂っちゅうもんがあるんやったら、みんな、安らかな眠りについた筈や……そうや、絶対そうや……)* * *雲ひとつない透き通る青空を、ベンチに座って見つめている藤原と涼子。藤原が涼子の頭を優しく撫でた。「お兄ちゃん、屁たれにだけはなりたくないね」涼
爆発が起こった。衝撃で部屋が揺れる。「なるほど……健太郎さんにしては、なかなか格好いい最後だったようですね、ふはははははははっ!」「くっ……健っ……!」素早くマガジンチェンジを行い、藤原が雄介目掛けて発砲する。その藤原の体を、雄介の鋭い視線が容赦なく切り刻んでいく。* * *その時、爆発音に妖しい眠りから覚めた涼子の視界に、雄介と戦う藤原の姿が映った。「……お……お兄ちゃん……」涼子が体に巻かれたコードを外そうとあがく。幸いにもコードは緩く締められていて、何度か試みている内に外す事が出来た。―涼子の目に、床に転がる鉈が映った。涼子が鉈を手に取り、ゆっくりと立ち上がった。「ふはははははははっ! 藤原君、そろそろお別れの時ですね! 僕を裏切った事、あの世で後悔してください!」涼子が鉈を振りかざし、雄介の後ろに立った。藤原は壁にもたれかかり、諦めきった表情で両腕をだらんと下ろした。「よりによって、屁たれのクソダコに殺られるとはな……」「死ねっ!」その時だった。「やああああああああっ!」
雄介が拳を握り締め、わなわなと肩を震わせた。レースでよく見えないが、泣いている様に見えた。そしてしばらくすると天を仰ぎ、藤原への思いを断ち切る様に笑い出した。「あっはっはっはっ!」虚しい笑い声が、室内に響く。「分かりました……僕には……僕には友達なんかいなかったと言う事ですね……じゃあ僕は何ら遠慮する事なく、この力を持って世界の頂点に登ります……やはり頂点は一人なんですね……まずは健太郎さん、あなたです……あなたには最高の舞台を用意しましょう……直美さんっ!」「何……直美ちゃん、やと……」雄介の声にバスルームの扉が開き、中から直美がゆらりと姿を現した。「直美ちゃん……無事やったんかえっ!」「待て健」身を乗り出して叫ぶ健太郎を、藤原が制した。「よお見てみい、目が死んどる」「な、直美ちゃん……」「彼女はもう、僕の忠実な下僕です。彼女の能力は素晴らしい物です。石像にしてしまうには余りにも惜しい、そう思いましてね。彼女にはその姿のまま、僕の番犬になってもらったんです。さあ直美さん! まずは健太郎さんを殺して下さい!」その声に、直美の肩がピクリと動いた。&nbs
10分後。「ええ加減にさらさんかえこのボケッ!」健太郎が藤原の後頭部を張り倒した。「ごっ……!」衝撃で目から火を出した藤原が、思わずうなる。そして静かに、大きく深呼吸すると手を挙げ、二人に言った。「すまん、ちょっとタイムや……」ポケットから煙草を取り出し、くわえて火をつける。「ふううううぅっ……」白い息を吐き、眉間に皺を寄せ、天を仰ぐ。「……よし、もう大丈夫や……いわちゃき、いや、岩崎雄介やな、分かった……」煙草を床に捨て、踏み消した。「……そやけど、岩崎雄介……そんなやつ、俺知らんぞ。訳の分からん事ぬかしやがって……それも人の事、馴れ馴れしぃ呼びくさって」「正気に戻ったかえ。そやけどちょっと待てや、その話は後や。おえ屁たれ! 先に俺が質問するっ! お前がどないして、そんな訳の分からん能力を得たんか、まずはそっからや! さあ、答えたらんかえっ!」健太郎が雄介にショットガンを向けて吠えた。健太郎の問いに、思考が停止していた雄介もようやく我に帰った。「……い、いいでしょう&
銃を構えた藤原が、部屋に足を踏み入れたその時だった。「藤原、目えつむれっ! やっぱしやつはゴーゴンの力を持っとった! 顔見たら石にされてまうぞっ!」健太郎が大声で叫んだ。「……分かった」藤原が静かにうなずき目をつむり、安眠マスクをしようとした。その時だった。「藤原君! 心配しなくていいよ! 君に危害を加える様な事は絶対にしない! する訳ないじゃない! さあ、目を開けて!」雄介の狂喜する声が響いた。「何を! 騙されるかえっ!」「……大丈夫、僕は顔にレースをかけます。そうすれば石になる事はありません。健太郎さんも大丈夫ですよ、マスクを取ってください」藤原が恐る恐る、ゆっくりと目を開けた。すると雄介の言う通り、彼は顔に黒いレースをかけていた。頭にはシュルシュルと蛇が動いているのが見える。「おい健、大丈夫や。お前も目ぇ開けろ」藤原の声に、健太郎も安眠マスクをゆっくり外した。「……」藤原には、所狭しと張られている自分の写真、散乱しているコードや倒れている涼子の姿は見えなかった。彼の目に映ったもの。それはその場に転がっている、坂口の無残な生首だった。「坂口さんも……やられたんか……」「お
13階でドアが開いた。ショットガンを突き出しながら、健太郎が素早く左右に目を這わせた。坂口は十字架を天高く掲げ、健太郎に続く。その時、またあの声が聞こえてきた。「心配ありませんよ……ここに石像はいません……いるのは僕だけです……」「くっ……こんガキ、とことん挑発してけつかる……まあええ、行ったろやないかえっ!」健太郎が吠え、大股で藤原の部屋に向かった。声の主の言う通り、石像に遭遇する事無く、二人は藤原の部屋の前に立った。健太郎と坂口が顔を見合わせ、互いにうなずく。その時、玄関のドアが静かに開いた。「坂口さん、行きまっせ!」「分かった!」二人が同時に足を踏み入れる。「な……」健太郎が我が目を疑う。そこは既に、健太郎が知る藤原の家ではなくなっていた。バスルーム以外の壁が全てなくなっており、3LDKの部屋が大きな一室になっていた。そして至る所に、藤原の写真が所狭しと貼られていた。「な……なんじゃこの部屋は……藤原、藤原だらけやないか……あいつ、こないナルシストやったんかいな&hellip